2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

帰結主義とフレーム問題

1.帰結主義 ベンサム、J.S.ミルに端を発する功利主義は現在「帰結主義」として倫理学上の主要学説の一つとなっている。 功利主義とはつまり「ある行為が倫理的であること」の定義をその行為が結果として多くの人間を幸福にするかどうかに求める考え方である…

映画『ハーモニー』

project-itoh.com以下に書くのは映画の感想や解釈ではなく、個人的な妄想や心情の吐露である。伊藤計劃の小説『虐殺器官』の文庫版の巻末に付された解説に、2009年7月の星雲賞授賞式に亡くなった本人に代わって登壇した伊藤計劃の母の述懐が掲載されている。…

円城塔『エピローグ』

『屍者の帝国』から3年を経て刊行された円城塔の現時点での最新長編である。エピローグ作者:円城 塔早川書房Amazonあらすじ オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ始め、人類がこちら側へと退転してからしばらく―。特化採掘大隊…

FACTのRustie - EVENIFUDONTBELIEVEについてのQ&A翻訳

偶然読んだ音楽ニュースサイト「FACT」上のRustie - EVENIFUDONTBELIEVEについてのインタビューが面白かったので翻訳してみる。元記事はこちら www.factmag.com以下翻訳 太字:インタビュアー/斜体:Rustie 現在のあなたの方向性について話したいと思います。…

大今良時『マルドゥック・スクランブル』

冲方丁の小説『マルドゥック・スクランブル』に出会ったのは中学三年生のころである。 今に至るまで4回は通して読んだし、続編「マルドゥック・ヴェロシティ」も同じくらい読んだ。 縁あって『聲の形』で有名な大今良時によるコミカライズ版をKindleで購入…

なぜブログを書くのか

ブログを始めるにあたって「なぜ文章をブログに書くのか?」「そもそもなぜ文章を書くのか?」という二つの問いに答えたい。 1.「なぜ文章をブログに書くのか?」 思考というのは自分の脳の中にあるだけのうちは基本的にとりとめのないもので、説明的な形で…