Re:CREATORS全話感想/考察

人生で見た中で最高のアニメ、『Re:CREATORS』を見返して何か書き残したくなったので一話ずつ感想や考察を書いていく。

2018年のアニメ10選(単話)

『衛宮さんちの今日のごはん』第1話 年越しそば 『DEVILMAN crybaby』X 泣き虫 『宇宙よりも遠い場所』STAGE10 パーシャル友情 『グランクレスト戦記』第11話 一角獣城、落つ 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』最終話 わたしを離さないで 『異世界魔王と召…

ソードアート・オンラインの感想(1期〜劇場版) / 仮想世界の実在論

アニメ『ソードアート・オンライン』の1期〜映画までを一気に見た。今までに見たアニメのオールタイムベストに食い込むほど感動したので感想を書き残しておきたい。 1. 本編感想 / 仮想世界のリアリティ 1.1 アインクラッド編 1.2 フェアリィ・ダンス編 1.3 …

他者、AI、虚構 / 「志向姿勢」入門

An introduction to “intentional stance” 1. はじめに 2. チェスプログラムと志向姿勢 3. 志向姿勢と他者 4. 志向姿勢と自己、意識 5. 志向姿勢とAI 6. 虚構、ヘテロ現象学的テキスト 7. おわりに 文献案内 An introduction to “intentional stance” 1. は…

研究発表『日常的イメージにおける構造実在論』

www.academia.edu 0. Abstract 1. introduction 2.構造実在論 2.1 科学的実在論 2.2 構造実在論 2.3 ESR/OSR 3. 構造実在論の応用 3.1 生物学 3.2 心の哲学 4. 日常的イメージにおけるSR 4.1 日常的イメージ 4.2 情報理論的構造実在論 4.3 ITSR vs Dennett 4…

『宇宙よりも遠い場所』10話/友情のソリテス・パラドックス

『宇宙よりも遠い場所』というアニメが現在12話まで放送されている。非常に評判の高い本作だが、「どの話が一番好き?」と訊くと「5話…」「8話が良かった」「11話…」「三宅日向……」「12話がヤバすぎる」など結構まちまちな返答が返ってくる。おそらく、これ…

研究発表『二つのイメージにおける対象 - 「日常的イメージ」のデネット的解釈』

www.academia.edu 1. 要旨 2. 日常的イメージと科学的イメージ 3. 消去的唯物論 4. 日常的イメージの対象の実在性 5. 多重の実在 6. 日常的イメージの修正 7. 結論 参考文献 頂いたコメントの検討 1. 要旨 本発表では科学的な世界観と日常的な世界観の関係と…

2017年に出た本の感想

2017年に読んだ本の感想をまとめておこうと思ったが、多いので2017年に出た本だけに絞って感想を書いておく。大体読んだ順に並べているつもりである。 宮澤伊織『裏世界ピクニック』 Daniel C. Dennett『From Bacteria to Bach and Back: The Evolution of M…

ダニエル・デネット『クオリアの歴史(2017)』和訳とコメント

原文:http://ase.tufts.edu/cogstud/dennett/papers/History_of_Qualia.pdf 要旨 クオリアという哲学者たちの概念は悪い理論化、特に(例えば)信念の志向的対象とその信念の原因の区別を認識し損ねるのことの遺物である。クオリアは、サンタクロースやイー…

夏季合宿での発表『アナログ的な世界について』

大学院の夏季合宿で『アナログ的な世界について(About the Analog World)』という題で発表をした。先生方からいろいろとコメントをいただいたのでそれを思い出したり検討したりするついでに原稿とスライドを丸上げしておこうと思う。原稿はこの記事にその…

Daniel C. Dennett "The Singularity—an Urban Legend?" 和訳

"Edge"という評論系のサイトに哲学者ダニエル・デネットが「シンギュラリティ」*1について語った記事が載っているのを見つけた。https://www.edge.org/response-detail/260352015年のものだが面白い内容なので人に勧めたところ日本語で読みたいとのことだっ…

ハイデガー『存在と時間』(三)③

存在と時間(三) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第三分冊についての記事三つ目。この記事では第二篇第三章(第六十一節〜第六十六節)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一分冊については以下の四つの記事に、ハイデ…

ハイデガー『存在と時間』(三)②

存在と時間(三) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第三分冊についての記事二つ目。この記事では第二篇第二章(第五十四節〜第六十節)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一分冊については以下の四つの記事に、ハイデガ…

ハイデガー『存在と時間』(三)①

存在と時間(三) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第三分冊についての記事一つ目。この記事では第二篇第一章(第四十五節〜第五十三節)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一分冊については以下の四つの記事に、ハイデ…

ハイデガー『存在と時間』(二)④

存在と時間(二) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第二分冊についての記事四つ目。この記事では第一篇第六章後半(第四十三節〜第四十四節c)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一篇第四章(第二十五節〜第二十七節)に…

心身二元論史

院試のために哲学史を勉強したのでついでに思ったことを書き留めておこうと思う。哲学史は見方によって様々な面を切り取ることができるが、ここでは心身二元論の起源と発展、批判に注目してみたい。基本的に私は心身問題に対してデネットの物理主義的立場に…

最近『アリス・イン・カレイドスピア 1』

アリス・イン・カレイドスピア 1 (星海社FICTIONS)作者:最近,あずき星海社Amazon この記事では最近『アリス・イン・カレイドスピア 1』を解釈していく。『アリス・イン・カレイドスピア 1』(以下、本作)は以下のリンク先で最後まで読むことができるので未…

大今良時/山田尚子『聲の形』

koenokatachi-movie.com 聲の形(1) (週刊少年マガジンコミックス)作者:大今良時講談社Amazon 大今良時の『聲の形』が山田尚子監督、京都アニメーションによって映画化された。本記事では原作、映画双方の内容を視野に入れながら作品のテーマを探っていく…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第7章

[asin:B013VZO8Z8:detail] この記事ではDennettの"Elbow Room"の第7章「なぜ私たちは自由意志を求めるのか?(Why Do We Want Free Will?)」の本文要約とコメントを書いていく。第1章〜第6章については以下の記事に書いている。re-venant.hatenablog.com re…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第6章

[asin:B013VZO8Z8:detail] この記事ではDennettの"Elbow Room"の第6章「「別のやり方もできた」("Could Have Done Otherwise")」の本文要約とコメントを書いていく。第1章、第2章、第3章、第4章、第5章については以下の記事に書いている。re-venant.hatena…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第5章

[asin:B013VZO8Z8:detail] この記事ではDennettの"Elbow Room"の第5章「自由の観念のもとで行為すること(Acting Under the Idea of Freedom)」の本文要約とコメントを書いていく。第1章、第2章、第3章、第4章については以下の記事に書いている。re-venant.…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第4章

[asin:B013VZO8Z8:detail] この記事ではDennettの"Elbow Room"の第4章「自作の自己(Self-Made Selves)」の本文要約とコメントを書いていく。第1章、第2章、第3章については以下の記事に書いている。re-venant.hatenablog.com re-venant.hatenablog.com re-…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第3章

[asin:B013VZO8Z8:detail]この記事ではDennettの"Elbow Room"の第3章「制御と自己制御(Control and Self-Control)」の本文要約とコメントを書いていく。第1章、第2章については以下の記事に書いている。re-venant.hatenablog.com re-venant.hatenablog.com…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第2章

[asin:B013VZO8Z8:detail]この記事ではDennettの"Elbow Room"第2章「理性を実践的にする(Making Reason Practical)」の本文要約とコメントを書いていく。第1章については以下の記事に書いている。re-venant.hatenablog.com 本文要約 ⒉ 理性を実践的にする…

Daniel C. Dennett "Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting" 第1章

[asin:B013VZO8Z8:detail]Daniel C. Dennettの"Elbow Room: The Varieties of Free Will Worth Wanting"(new edition)の第1章「お化けを育てないで(Please Don't Feed the Bugbears)」を読んだので、本文の内容の要約を書いていく。本書では哲学史上で古く…

2016/5/13のNOUS FMで使った曲

2016/5/13放送のインターネットラジオ番組"sprout's dub 94 on NOUS FM"でのmixで使用した曲について書いていく。ラジオ放送のアーカイブは以下から聴くことができる。また使った曲をサウンドクラウドでプレイリストとしてまとめてある。 Flybear - The Hook…

アニメ『放課後のプレアデス』

http://sbr-gx.jp/sbr-gx.jp友人の勧めでアニメ『放課後のプレアデス』を見た。面白いテーマ性を持った作品であり、現在の自分の関心ともリンクする部分があったので本編についての解釈とその前提知識を書いていく。 Ⅰ.前提 1. 量子力学におけるコペンハーゲ…

ハイデガー『存在と時間』(二)③

存在と時間(二) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第二分冊についての記事三つ目。この記事では第一篇第五章B、第六章前半(第三十五節〜第四十二節)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一篇第四章(第二十五節〜第二十…

ハイデガー『存在と時間』(二)②

存在と時間(二) (岩波文庫)作者:ハイデガー岩波書店Amazon 熊野純彦訳『存在と時間』第二分冊についての記事二つ目。この記事では第一篇第五章、第五章A(第二十八節〜第三十四節)の内容のまとめと感想を書いていく。 第一篇第四章(第二十五節〜第二十七節…

2016/3/18のNOUS FMで使った曲

2016/3/18放送のインターネットラジオ番組"sprout's dub 94 on NOUS FM"でのmixで使用した曲について書いていく。 ラジオ放送のアーカイブは以下。 また使った曲をサウンドクラウドでプレイリストとしてまとめてある。 josh pan & X&G - platinum (gill chan…